副業ブームやコロナの影響で在宅ワークの需要が激増し、「IT知識をつけたい!」「プログラミングを学びたい!」という人が多くなっています。
ただ「プログラミングって何を学べば良いの?」「モチベーションの保ち方は?」と疑問に思っている人が多いのも確かです。
そこでこの記事では、これからプログラミングを学んでいきたい人・プログラミングを学び始めたが勉強の仕方がわからないという人に向けて解説していきます。
- プログラミング学習の始め方がわかる
- 各プログラミング言語の特徴がわかる
- 初心者が選定すべきプログラミング言語がわかる
- プログラミング学習におすすめの教材がわかる
ぜひこの記事を読んで、プログラミング学習にチャレンジしてみましょう!

プログラミングを学習する目的を明確にする
プログラミングと言っても、iOSアプリやAndroidアプリ、ゲーム開発やWEBサイト開発、大規模システム開発など種類も多岐にわたります。
それらの進むべき方向を事前に明確化させることでその後の学習効率を飛躍的に上げることが可能になります。
まずは右も左もわからない状態からのスタートですので、以下の観点に着目して学習する目的から定めていきましょう。
- どんなものを作ってみたいか
- どんなシステムがあればより便利になると思うか
- どんな技術を身につけてみたいか
まずは「何を学ぶか」から探すのではなく、「どんなことをしてみたいか」から探していくと自分に合った学習目的が見つけられるでしょう。
学習するプログラミング言語を決める
学習する目的が決まれば、自ずと学習すべきプログラミング言語も定まっていくでしょう。
すべての言語を網羅しようとするのはほぼ不可能であるため、まずは学習していく言語を決める必要があります。
Python

- シンプルな文法でコードが短い
- 機械学習ライブラリが豊富
- Web開発・ゲーム開発・自動化など幅広く対応
- C++やGoと比べると処理が遅い
- AndroidやiOSアプリ開発はJavaやSwiftが主流
特徴
文法がシンプルなため、javaやC系言語に比べて参入障壁が低いのが特徴です。
ただし、機械学習などのより専門的な用途に利用する場合は数学の知識など多岐にわたる要素も加わってくるため、Pythonを活用して何を作りたいかで難易度も変わってきます。
Pythonはスクリプト言語のため、JavaやC++のようなコンパイル(事前にコードを機械語に変換する作業)が不要で、すぐに実行できます。
使用している企業やサービス
インスタグラム、YouTube、Dropboxなどのサービスに利用されています。
JavaScript

- ブラウザで動作する(特別な環境構築が不要)
- Web開発に強い(動的なページやアニメーションを簡単に作れる)
- フルスタック開発可能(Node.jsを使えばサーバーサイドも対応)
- 言語仕様が複雑(初心者が理解しにくい部分が多い)
- 動作速度がやや遅い
特徴
基本的なJavaScriptの文法はそこまで難しくはないですが、フレームワーク(React, Vue, Angular)の利用が加わると学習難易度は上がります。
Web開発においてJavaScriptは圧倒的利用度を誇っており、HTMLとCSSと組み合わせてブラウザ上で動くアプリを手軽に作成できるのが特徴です。
Twitterの「いいね!」が即座に反映されるような、ページの遷移なしに情報を更新できる機能やフレームワークのNode.jsを使うことでサーバー(バックエンド)側の開発もできます。
使用している企業やサービス
Facebook(Meta)、Twitter(X)、Netflixなどのサービスに利用されています。
Java

- OSに依存しない(どこでも動作する)
- 安定性が高い
- Android開発の公式言語(スマホアプリ開発に強い)
- コードが長くなりがち(Pythonに比べて冗長)
- 学習難易度はやや高め
特徴
Amazonの大規模システムやAndroidアプリ開発に広く使われているオブジェクト指向型の言語です。
汎用性が高く、Windows, macOS, Linux, AndroidなどのどのOSでも動くため、多くのシステムで利用されている言語です。
オブジェクト指向言語のため、コードを「部品」として作ることで再利用しやすい設計が可能ですが、初心者にとってはやや学習難易度が高めとなっています。
使用している企業やサービス
Amazon、LinkedIn、楽天などのサービスに利用されています。
C++

- 処理速度が速い(PythonやJavaよりも高速)
- ゲーム・システム開発向け(Unreal Engine, Windows OSなどで採用)
- ハードウェア制御が可能(組み込み開発にも使われる)
- 学習コストが高い(ポインタやメモリ管理の知識が必要)
- バグが発生しやすい(メモリ管理を誤るとクラッシュの原因になる)
特徴
JavaやPythonよりも動作速度が速く、 ゲーム・システム開発にも利用されています。
Unreal EngineやWindowsのOS開発にも使われており、巨大システムの根幹も担うことのできる言語です。
他の言語では自動で行われるメモリ管理を手動で制御できる反面、文法が複雑でメモリ管理の知識が必要となるため学習難易度は高めの言語となっています。
使用している企業やサービス
Google Chrome、Adobe(Photoshopなど)、Unreal Engineなどのサービスに利用されています。
C#

- Windows環境で強い(Microsoft製アプリ・システム開発に最適)
- Unityでゲーム開発ができる(スマホ・PC向けゲーム開発に強い)
- オブジェクト指向の理解がしやすい(Javaよりも書きやすい部分がある)
- Mac・Linuxでは使いづらい(Windows向け開発が中心)
- JavaScriptやPythonより難しい(オブジェクト指向の理解が必要)
特徴
Unityエンジンで作られたゲームはC#で開発されており、ポケモンGO,や原神などがあります。
Windowsアプリケーションやクラウドシステム(Azure)に強いほか、Unityと相性が良いため、3D・2Dゲーム開発に最適といえるでしょう。
オブジェクト指向型の言語でJavaに似ているため、Javaを学んだ人ならC#も理解しやすいのが特徴です。
使用している企業やサービス
ポケモンGO、原神、Among Usなどのサービスに利用されています。
Go

- 処理速度が速い(Pythonよりも高速で、C++に近い性能)
- 並行処理に強い(リアルタイム処理に利用される)
- シンプルな文法
- ライブラリが少ない
- GUIアプリには向かない(基本的にWebサーバーやバックエンド向け)
特徴
GoogleのクラウドサービスやUberなどのリアルタイム配車システムで使われています。
C言語並みの速度で動作しつつもコードはPythonのようにシンプルなため、一度に多くの処理を同時に実行する並列処理が可能なのが特徴です。
サーバーサイドに強いため、多くのアプリやサービスで利用されています。
使用している企業やサービス
メルカリ、PayPay、クックパッドなどのサービスに利用されています。
プログラミング学習のためのおすすめ学習用教材
プログラミング学習を行う上で欠かせないのが、学習用教材の選定です。
特に独学においては、自分にとって易しすぎる教材も難しすぎる教材も学習効率の面で適切ではありません。
- 書籍
- 動画コンテンツ
- プログラミング学習サイト
これらのサービスを利用して自分のレベルに合った適切なプログラミング学習を行っていきましょう。
書籍
書籍での学習は、自分の学習ペースに合わせて進められるほか、持ち歩きながらどこでも辞書のように利用できるのが特徴です。
様々な著者・出版社から多くのレベル別・目的別の参考書が出版されているので、適切な書籍を選ぶことができれば「動画コンテンツ」や「プロブラミング学習サイト」よりも高い学習効果が得られるでしょう。
pythonを例にいくつかおすすめ書籍を紹介するのでぜひ参考にしてみてください。

- 幅広く内容が網羅されており入門者向け
- 十分な説明とわかりやすいコード
- 解説のサンプル・ソースコードをダウンロードできる
- 上級者には物足りない
- やや実践向きではない

- 初歩の初歩からでもPythonの基礎知識を勉強できる
- 子供でも学習に利用できる
- 詳しい内容の記載や網羅性は低め
- この書籍単体ではプログラムを書けるようにはならない

- 機械学習やWebアプリケーション開発といった専門分野へつながる知識を習得できる
- 実践的なコーディング力を鍛える「ゲーム開発の総合演習」がある
- つまずかないためにスマホやPCのWebブラウザでプログラミングができる「dokopy」がある
- 全くプログラミング知識のない初心者には向いていない
- あくまでPythonのプログラムを書く「体験」をする書籍
動画コンテンツ
動画コンテンツには「YouTube」や「Udemy」などがあり、それぞれ無料のものから有料版まで幅広く解説動画が提供されています。
動画での学習は「実際にプログラムを動かしている映像を確認しながら実践できる」点が他の学習方法よりも優れている点で、書籍などよりも理解しやすい場合が多いと言えるでしょう。
YouTube

YouTubeでの学習には以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
無料で利用できる 自分に合った解説者の動画で学べる 最新版の情報で学習しやすい | 学びたい内容がない場合がある 情報が古い場合もある |
YouTube学習は、無料で利用できたり自分にとって理解しやすい解説者の動画で学べたりといったメリットがあります。
一方で、学びたいと思っている内容がない場合や情報がアップデートされていない動画もあるため、「部分的に学習に活用してく」にとどめた方が良いでしょう。
Udemy

Udemyでの学習には以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
充実した濃い内容の動画講座がある 動画講座作成者に直接質問できる 環境構築から詳しい解説がある | 学びたい内容がない場合がある 有料での利用となる |
Udemyでは、動画講座を購入することでプログラミングを一通り学習することのできるプラットフォームで、動画講座の作成者に直接質問ができたり環境構築から学べたり濃い内容の動画で学習できます。
一方で、YouTubeと同様に学びたい内容がなかったり有料での利用であったりするため、状況によって利用が限られてくる点がデメリットと言えるでしょう。
プログラミング学習サイト
プログラミング学習サイトでの学習もおすすめです。
プログラミング学習サイトでは、モチベーションが上がるようなUIのサイトで学習が進められ、分野別に学習していくことができるようになっています。
初心者でも学習のモチベーションが保ちやすいような工夫が多いため、積極的に活用するのをおすすめします。
Progate

Progateでの学習には以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
分野・項目・言語ごとに基礎知識が学べる わかりやすいUI 段階的な学習が可能 | 応用的な知識は少ない 無料版は制限あり |
Progateでは、初心者でもモチベーションを保ちやすいような軟らかいデザインで作成されており、プログラミングの難しいイメージを払拭しながら楽しくゲーム感覚で学ぶことができます。
基礎知識を段階的に手順を踏んで学ぶことができるため、知識をつけやすいメリットがあります。
一方で、無料版には制限があるため全ステップを学びたい場合は有料プランに加入する必要があります。
paiza

Paizaでの学習には以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
クイズ形式でプログラミングを学べる 解説動画を見ながら学べる 就職・転職支援サービスも利用できる | 初心者の場合プログラミング問題はやや難易度が高い 無料版は制限あり |
paizaは、自分の頭で処理を考えていくという力をつけていきたいのであればProgateよりもおすすめです。
ランク分けされた問題が用意してあり、実際に自分でコーディングすることでその問題を解いていくというような設計になっています。
progateとは違って手取り足取り教えてもらえるわけではないため、わからなくなった時点で常に調べるという作業が発生しますが、その分コードを書く作業や目的の処理を実装させるという面において力をつけていくことができます。
ただし、paiza内のサービスをフル活用するには有料プランに加入する必要があるため、自身の状況に合わせて利用していくと良いでしょう。
まとめ:プログラミングで何を作ってみたいかを明確にしよう!
今回はプログラミング初心者が選ぶべき言語と行うべき学習方法について解説してきました。
まずはプログラミング学習を行う目的を探し、その後にプログラミング言語の選定、学習方法の模索、継続的な学習を行うのがおすすめです。
初心者の場合はとにかく「プログラミングで何を作ってみたいか」からプログラミング学習へ繋げていくことが重要です。
必ずどこかで躓くタイミングは来ますが、これは誰もが通る道です。
コツコツと少しずつ学習していくことが大切なので、急がば回れ精神で学んでいくようにしましょう!