IT技術の発達や企業のDX化などの様々な変化によって、プログラミング言語の重要性はますます高まっています。
市場のニーズに応じて選ばれるプログラミング言語が変化していく中でどの言語が注目されているのか、どのような背景で選ばれるのかは知っておくべき知識といえるでしょう。
本記事では、2024年プログラミング言語ランキングと選ばれている背景について詳しく解説していきます。
世界で人気のプログラミング言語ランキング

2024年現在、世界中で最も利用されているプログラミング言語をランキング形式でご紹介していきます。
このランキングは、TIOBEやRedMonkなどの信頼性の高い指標を元に作成しているため、人気度だけでなく用途や成長性についても考慮しております。
第1位:Python – 万能性と学びやすさで圧倒的人気

メリット | デメリット |
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幅広い用途に対応可能 豊富なライブラリとサポート 初学者に優しい | 実行速度が遅い モバイルアプリ開発には不向き |
Pythonは初心者からベテランまで幅広い層に支持されている背景として、GoogleやNetflixのような大規模な企業でのAI開発やデータ分析に使われていることが挙げられるでしょう。
また、YouTubeやInstagramといった人気アプリの裏側でも活躍しており、今最も注目されているプログラミング言語となっています。
第2位:JavaScript – フロントエンド開発の王道

メリット | デメリット |
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クライアントサイドとサーバーサイドの両方で利用可能 活発なコミュニティと豊富なツール | 大規模プロジェクトではコードが複雑化しやすい セキュリティ問題に注意が必要 |
JavaScriptは今やWeb開発において欠かせない存在で、SNSプラットフォームで相互に作用するような要素やEコマースサイトのリアルタイムな在庫更新機能、動画ストリーミングサービスの動的UIなどで幅広く活用されています。
また、シングルページアプリケーション(SPA)の開発では、ReactやVue.jsといったフレームワークがJavaScriptを基盤に構築されており、ユーザー利便性の向上に役立てられています。
第3位:Java – 安定性と信頼性が強み

メリット | デメリット |
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プラットフォームに依存しないので異なる環境での実行が容易。 拡張性の高さ ライブラリとフレームワークの豊富さ | 他のモダンな言語に比べてやや文法が複雑 実行時のパフォーマンスが課題となることもある 習得難易度が高め |
Javaは、長年にわたり企業のシステムやAndroidアプリ開発で中心的な役割を担っています。
さらに、大規模なWebアプリケーションでも広く採用されており、現在の日本のシステム改修案件もJavaがトップクラスで数が多いです。
金融機関のトランザクションシステムや政府のデータ管理システムでは、Javaの堅牢性と信頼性が評価されているほか、HadoopやApache Kafkaなどのビッグデータ関連技術でも使われているため、データ処理分野での貢献も大きい言語です。
国内で注目されるプログラミング言語

日本国内では、特有のニーズや開発環境に合わせた言語の人気が見られます。ここでは、国内市場におけるトレンドについて掘り下げてみます。
Ruby – 日本発のWeb開発言語

メリット | デメリット |
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開発スピードが速い 簡潔な文法 学習難易度がやや低め | 実行速度が遅い 大規模システムには向かない |
Rubyは日本人プログラマーのまつもとゆきひろ氏によって開発され、簡潔で読みやすい文法が特徴ですが、一方でパフォーマンスが求められる大規模なシステム開発では他言語に劣る場合があります。
例えば、JavaやGoなどの言語が採用される場面では、Rubyの実行速度がボトルネックとなることもあります。また、Web開発以外の分野では利用が限定的となってしまうため、汎用性の点でやや難点があります。
とはいえ、スタートアップ企業やプロトタイピングにおいては素早い開発スピードが評価されており、需要の増加に従って初学者でも学習しやすい難易度が注目の理由となっています。
TypeScript – JavaScriptの進化版

メリット | デメリット |
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JavaScriptとの互換性があり 拡張性が高い 型チェックがあるので信頼性が高め | 学習難易度がやや高め ビルドプロセスの把握が必要 |
TypeScriptはJavaScriptの拡張版として型付けが導入されており、大規模プロジェクトでの信頼性をより向上させています。AngularやReactなどのフレームワークとの組み合わせによって、モダンなフロントエンド開発で大きな役割を果たしています。
また、バックエンド開発ではNode.jsを活用してTypeScriptを使用したエンドツーエンドのアプリケーション開発も可能となっています。
TypeScriptはWebフロントエンド開発での利用が進んでおり、今後も更なる需要の増加が予想されます。
需要が急増している注目の言語

技術の進化に伴い、需要が急増している言語も見逃せません。AIやIoT、ブロックチェーンなど、新しい分野での利用が増加している言語について解説していきます。
Rust – 安全性とパフォーマンスを両立

メリット | デメリット |
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高いメモリ安全性 高性能 | 学習難易度がやや高め 開発環境構築に時間がかかってしまう場合がある |
Rustは需要が急増している注目言語の一つです。
C/C++の代替として台頭しており、Webブラウザの開発や分散システムの構築などで採用されています。例えば、Mozillaが開発する高速ブラウザFirefoxや、メモリ安全性が重要視されるブロックチェーンプロジェクトPolkadotで活用されています。
また、自動車の組み込みシステムやクラウドインフラの低レベル部分でもRustの採用が進んでおり、安全性とパフォーマンスの両立が高く評価されています。
Kotlin – Android開発の新たなスタンダード

メリット | デメリット |
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Javaとの高い互換性 簡潔なコード | 学習難易度がやや高め 小規模案件ではややオーバスペック |
Kotlinは、Javaとの互換性を保ちながらモダンな機能を提供しており、Googleが公式サポートを表明して以来Android開発でよく利用されている言語です。
また、Javaに比べてより簡潔な文法になっているにも関わらず、Javaの持つ堅牢性も維持されています。
さらに、Kotlinはサーバーサイド開発やWebアプリケーション開発でも注目されており、Spring Frameworkとシームレスに統合できる点が強みといえるでしょう。
一方で、学習難易度がやや高めなことや、プロジェクトの規模によってはオーバースペックになる場合がある点には注意が必要です。
まとめ:主流な開発言語については理解しておこう!

データ分析やAI開発での幅広く活用されているPythonがこれからの多くのサービスに利用され、より需要が増加していく人気言語となるでしょう。
一方で、これまで多くのシステムで採用されてきたJavaもPythonほどの需要増加幅はないにしろ、すでに採用されているシステムの母数の多さからまだまだ利用が見込まれます。
新しくプログラミング言語を学び始める人は、次の流行はどの言語が来るのか、どの分野でシステムに携わっていきたいのかを時代の流れから判断していくのも一つの手段かもしれませんね。